【就職者インタビュー】”好き”を仕事にしながら、無理のないペースで働くAさん(うつ病・30代女性)
自分の好きなことを仕事にしたい、好きな業界で働きたい!
でも、自分の体調は心配だし、気になる求人も障害者雇用枠では募集していないし…
といった悩みを抱えている方は他にもおられるのではないでしょうか。
今回は、就労移行支援を上手に活用しながら、希望していた芸術関係の業界で働くことを実現した、ヴィストキャリア富山中央の卒業生Aさんの就職エピソードです!
Aさんはどのようにヴィストキャリアを活用し、就職活動を進めたのでしょうか。
インタビューを通じてその過程をお伝えします。
Aさんプロフィール
・30代の女性
・うつ病と診断される
・利用した事業所:ヴィストキャリア富山中央
・利用期間:令和5年3月から12か月間(そのうち6か月はトライアル雇用)
・現在はコンサートホールでのチケット販売・窓口業務に従事。月15日程度の勤務
利用のきっかけを教えてください。
元々は県外で働いていたのですが、利用の2年ほど前に体調を崩して離職。しばらく休養をした後に、実家がある富山県に帰省しました。
心療内科やデイケアに通い、社会復帰も考えはじめていた時のこと。クリニックでヴィストキャリアのパンフレットが目に止まり「コレだ!」って思いました。
デイケアは日中の活動場所として利用していたのですが、就職に向けた活動ができる場所とは違います。主治医に就労移行支援の利用を自ら相談し、承諾をいただきました。
他の事業所も見学したものの、ヴィストキャリアの明るい雰囲気に惹かれ、利用を決めました。
ご自身で就職活動をすることも考えましたか?
いえ、前職では一人で仕事の悩みを抱え込むことも多く、それがだんだんと負担になり、体調を崩したので。次の職場では障害をオープンにして無理のないように働かないと、また繰り返してしまう。福祉サービスを利用すること自体に抵抗はなく、「活用できるサービスは活用しよう」という前向きな気持ちでした。
ヴィストキャリアにはどれくらいの頻度で利用していましたか?
当初は、週1〜2回の利用でした。はじめて1か月の通所予定(シフト表)を組む時に、きちんと通えるのだろうかと不安に思っていた時、担当スタッフさんが「週1でも週2でも大丈夫だよ」と言ってくれて。自分が無理しないペースでシフトを組み、リズムを慣らしながら段階的にペースを上げていきました。
プログラムの内容もすごく楽しくて、最終的には週5日くらい、平日も土曜祝日も出席していたと思います。
印象に残っているプログラムはありましたか?
色々なプログラムの中でも、ビジネスマナーやコミュニケーション系のプログラムは特に印象に残っています。はじめは、社会人経験もそれなりにあったので「今更ビジネスマナーを学んでも。知ってるけどなぁ」なんて気持ちもあったのですが、受けてみたら日々新たな発見があって、新鮮でしたね。
JST(ジョブ・スキル・トレーニング)では、こういう場面ではどうしたら良いか、良い例だけでなく良くない例も具体的に知ることができ、過去の経験と照らし合わせて、これまでのことを整理することができました。
他にも、アンガーマネジメント、アサーションなどのコミュニケーション系のプログラムは、社会に必要なものばかり。こういったプログラムを学校や会社で直接学べる機会は少ないと思いますが、みんな学んだら良いのに!と思うくらいです(笑)
その後、就職活動はどのように進めましたか?
利用して6か月ほど経過した頃、体調も安定してきたので求職活動に入りました。
私の場合、過去に博物館の学芸員など芸術関係の仕事をしていたこともあり、同じように芸術の分野で働きたい思いがあったので、その条件で絞ってインターネットやハローワークで調べました。
そんな時にハローワークの求人検索で見つけたのは「コンサートホールのチケット販売」。
学生の時にも劇場でアルバイトをして楽しかった経験があり、働くイメージはすぐに湧きました。早速応募したいと思ったものの、その募集は障害者雇用枠ではない求人(一般求人)でした。
そこでハローワークに相談してみたところ、ハローワークの方が企業の担当者に掛け合ってくださり、障害者雇用も視野に、県が行っている実習制度を活用して、職場実習から受け入れていただくことになりました。
一番の不安要素になっていた就業時間に対しても理解のある環境で、良い方ばかりで、無理のないペースに変更してもらい、安心して実習に望むことができました。
その後、約6か月の実習を経て、無事に内定をいただき、現在も同じ職場で働いています。
現在について教えてください。
どのような業務をしていますか?
はじめは、イベントのチケットを買いたい方からの電話対応・窓口業務をしていました。現在は、業務が増え、金銭のやり取りやパソコン入力などの業務全般を行っています。
仕事で工夫しているポイントはありますか?
仕事でやらかすこともありますが、そんな時は起きた出来事をメモ帳に書き起こし、同じ失敗をしないようにToDoリストを作って、自分自身で振り返りの時間をとっています。
自発的に内省できており素晴らしいですね。お休みの日などは、どのようにリフレッシュしていますか?
趣味の編み物をしたり、月に一度は遠出したりして、気分転換をしていますね。
実家暮らしなのですが、たまには一人になる時間も大切にしています。
今後の目標を教えてください。
現在は月に15〜16日の勤務なので、17日、18日と徐々に勤務日数を伸ばしていき、いずれはフルタイムで働けるようになりたいです。
最後に、利用を検討している方に一言お願いします。
ヴィストキャリアに通って色々な経験をする中で、自分の苦手なことや、得意だと思っていたけど向いていなかったことを整理することができました。
挨拶の仕方ひとつとっても、自分の思っていた正解が、正解ではなかった。もっとこうしたら良かった。そんなことに気がつける場所です。
色々な経験をすることができるので、決して損にはならないと思います。迷った時にはスタッフにいつでも聞ける環境もあって、安心して進めることができました。皆さんも、挑戦してみてはどうでしょうか。
ー Aさん素敵なお話をどうもありがとうございました!
担当スタッフより一言
利用開始当初は体調不良や気分の波があり休まれることもありましたが、少しずつヴィストの雰囲気に慣れ来所日数を増やしていかれました。前職のことや家庭のことなども含め、今のAさんに無理のない働き方を一緒に整理し、相談しながら、希望されるお仕事に繋がったことを大変嬉しく思っています。
終わりに
今回はヴィストの広報担当者がAさんに直接インタビューをさせていただきました。
好きなことを仕事にして活躍されており、晴れやかな表情でお話しされていたのが印象的でした。これからの人生も豊かなものでありますように応援しています!
就労移行支援では、これまでの体験を整理して、働く上での不安を一緒に解消することができます。企業との間に支援者が入って環境調整も行います。
一人で抱え込むことが多い方にこそ、活用してほしいサービスです。
ぜひお気軽にお問い合わせください。