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子どもの急なトラブルへの対処法について~相談して解決に繋げよう~

生活スキル 2025.05.09

4月から進級、進学となり新しい環境となった方もいらっしゃるかと思います。新環境になったことで新しいことにワクワクする反面、通学手段や人間関係の変化から起こる新しいトラブルもあるのではないでしょうか。

お子さんによっては急なトラブルが起こったとき、どうしたらよいのか分からずパニックになってしまう場合もあります。

今回はそんなトラブルが起こった時に困らないよう、家庭でできる対応策をお伝えしていきます。

トラブルには相談が大事

トラブル対応が苦手なお子さんの中には、「人に相談する」という意識を中々持てず、自分の力でトラブルを克服しようとしてしまうケースが多く見られます。そのため、結果的にトラブルが解決できず失敗してしまい、自己肯定感の低下につながってしまうことがあります。このような失敗体験が積み重なると、予想外のことが起こりやすい外出や集団行動は「できない」と思ってしまい、最初からあきらめがちになることも考えられます。

そのような状況を防ぐためにも、以下の方法で「人に相談する練習」を積み重ねていきましょう。

トラブル対応を事前に考えておく

①トラブルが起きたら自己判断で行動せず、立ち止まって状況を整理し、親もしくはあらかじめ決めた相手に相談するよう事前に伝えておきましょう。

②トラブルの例を伝えておきましょう。ただ「トラブル」と説明するだけでは、その基準が分からず、混乱する場合もあります。親に相談した方がよいトラブルを事前に具体的に伝えておきましょう。書き出して見せるのも良い方法です。

例:財布など大事な物をなくした、電車やバスに乗り違えた、目的の施設が臨時休業で閉まっていた など

③スマホがあればそれを使い親に助けを求める、スマホがない場合や親に頼れない場合には、駅員や学校の先生などに助けを求めるなどを決めておきましょう。

④電話での相談には「今日これまでに立ち寄った場所は?」「店員さんに聞いてごらん」など具体的、肯定的な助言をしましょう。対策が明確になれば本人も安心して行動できます。助言からトラブルが解決することもあります。その経験を通じ、他者への相談を習得していきます。

※相談ゼロを目標にしない…経験を積み重ねるにつれ、相談する回数は徐々に減ります。しかし、未経験のトラブルが起こることはあります。その時は遠慮なく連絡をするようにしましょう。相談をなくすことが目標ではありません

相談しながら活動できる

「困ったら相談する」「相談して解決」というやりとりを継続して行うことで、スキルとして定着します。定着することで家庭内だけでなく、学校や外出先でも実践できるようになります。臨機応変な対応力が身に付かなくても、相談する力があれば社会で十分に活動できます。(例えば、友達との遊びが長引いて帰宅が遅れた時などに、親に相談するようといった対応がとれるようになります)

まとめ

予想外の展開が起こった時、対処法が分からずパニックになってしまう方も多くいらっしゃいます。そうならないためにも事前に考えられるトラブルについて家で想定をしておき、起こった時の対処法も考えておきましょう。対処法については親や周りの人に積極的に頼っても良いことを伝えることが大切です。

相談が習慣化することで、トラブルが拡大する前に人を頼れるようになります。また、いつでも相談できるということが、本人の心理的な余裕に繋がります。そこから新しいことに挑戦するきっかけにもなりますので人に頼ることによる成功体験をたくさん積み重ねていきましょう。

出典:自閉症スペクトラムの子のソーシャルスキルを育てる本 思春期編


この記事を書いたのは、ヴィストカレッジ富山駅前です。

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