発達に特性のある子どもの金銭管理。~お小遣いから学ぼう~
みなさんのご家庭ではお小遣い制を導入されているでしょうか?
ひと月に一度、まとまったお金を受け取り、それを管理して使うことは将来的な自立への第一歩として、必要なスキルとなります。
しかし、中にはお金を渡すことで『衝動的にお金を使ってしまう』『お金の大切さが分からず、無計画に浪費してしまう』といった問題が発生することもあります。
今回は金銭管理が苦手なお子さんと、お小遣いの適切な関わり方についてお話いたします。
衝動的に買い物をしてしまう場合は?
発達に特性のあるお子さんの中には衝動性が強く、我慢をすることが苦手なお子さんもいます。そのため、目に入った商品を見て「欲しい!」と思ったら後のことを考えず、購入にいたってしまうケースがあります。そのことから貯金を使い果たし、借金をするなどのお金のトラブルに発展してしまうかもしれません。
そこで、お小遣い制を始めるにあたって、衝動的な買い物が心配される場合には買いたい物リストを事前に作ってみましょう。
「リストを読む」という行為が、衝動買いにブレーキをかける効果が期待できます。
また、親子で買い物に出かけた時には保護者から、今それが必要かどうかや、どういった気持ちで購入しようとしているのかを子どもに問いかけ、考える時間も作れると良いですね。
無計画にお金を使ってしまう場合は?
お小遣い制をはじめ、1ヶ月に1度お金を渡すとなったとしても、その1ヶ月の見通しが持てず、すぐにお金を使い切ってしまう場合もあります。
その場合にはカレンダーや家計簿アプリを使用して、一か月の期間や、買った物の収支を付けることで残り期間や残額について視覚化できる環境を整えてみましょう。意外なところでお金を使っていたという気づきにも繋がるかもしれません。
また、『お金は簡単にもらえるもの』という思い込みからお金の価値観が分からず浪費してしまうパターンもあります。
一度、親子でお金の話をして、労働の対価にお金を受け取っていることやお金の大切さについてお話をする機会も設けてみましょう。お金の価値を知ることで「簡単にお金がもらえる」などの怪しい話にも危機感が持てるようになります。
お小遣い制で大切なことは?
最後に、お小遣い制を始めるにあたって大切なことをまとめましたのでぜひご覧ください。
1:親子で相談してお小遣いのルールを決める
『毎月1日に2000円渡す』、『買い物は土曜日に行う』など親子で相談して我が家ルールを決めましょう。
『友達と遠出するときの交通費は小遣いとは別にその都度相談』といったルールなども具体的に決められると良いです。
決めたルールは紙に書いて貼り、視覚化しておくことで子どもも日頃から意識することができます。
2:始めは親子で買い物に行き、商品の選び方やお金の支払いなどを確認する
最初は好きな物を好きなだけ購入してしまうことがあるかもしれません。親子で買い物を行い、子どもがどんな考えで商品を選んでいるか、本当にそれが必要かどうかを聞いてみましょう。
また、あらかじめ買いたいものリストを書いておくことで、店頭で欲しい商品を見ても「今日は買わない」と衝動をコントロールする練習にもなります。
3:1ヶ月という期間をイメージし、残額や残りの期間を把握する
お子さんによっては先の見通しを持つことが難しく、金銭管理がうまく行かないケースもあります。カレンダーや小遣い帳に収入と支出を書き込み、視覚的に分かるようにしてみましょう。
また、家計簿アプリの活用も有効的です。ヴィストカレッジ富山駅前では「zaimu」という家計簿アプリを紹介しました。子どもにとってわかりやすい形での金銭管理を親子で探しましょう。
まとめ
金銭管理には『衝動的にお金を使ってしまう』『計画を立てて使うことが苦手』といった理由からそれを苦手とする方もいらっしゃいます。その為にルールを明確に決め、また、それを視覚化することで、支出額や何に使ったかをいつでも確認できるような環境を整えておきましょう。
上手くできた時には褒め、失敗したときには叱らずにどこを改善すればよいのか一緒に考えてみることも大切です。
少しずつお金のコントロール方法を身に付け、一か月のお小遣いが管理できるようになったら、欲しいものを買う為に計画的にお金を溜めたり、予算立てをして出かけたりなどのステップアップも目指してみましょう!
参考:自閉症スペクトラムの子のソーシャルスキルを育てる本 思春期編
テテトコ https://tetetoco.jp/topics/post328
就労継続ナビ https://shuro-shien.or.jp/navi/money-management/