就労に向けた準備のために～オープン・クローズとは～
こんにちは！ヴィストキャリア富山駅前です。
昼間は夏のように暑い日も多くなってきましたね。
ヴィストキャリア富山駅前では、曜日によって、午後に様々なテーマの訓練プログラムを行っています。
今回は5月20日に行った、『オープン・クローズ』をテーマにした就職準備の訓練プログラムの様子をお伝えします。
『オープン・クローズ』という言葉を初めて聞く方もおられるかと思います。障害をお持ちの方の働き方に大きく関わってくる、この『オープン・クローズ』について、知っていただく機会にもなればと思います。
オープンとクローズ、それぞれのメリット・デメリット
オープンとは、オープン就労のことで、職場に障害のことを明らかにして働くことです。
対してクローズとは、クローズ就労のことで、職場に障害のことを明らかにしないで働くことです。
オープン就労の主なメリット
・ハローワークで障害者求人に応募することが出来ます
・職場で「病気のことが知られるのでは…」という不安を抱かなくても済みます
・面接を受ける際に、支援者が同行することが出来ます
・苦手な仕事や出来ない仕事を理解してもらいやすく、得意な仕事を活かして働くことが出来ます
・職場で業務上の問題や人間関係のトラブルなどがあった際に、会社と支援者の間で話し合いを行ったり、対処を行ったりすることが出来るため、働きやすい環境で仕事を行うことが出来ます
オープン就労の主なデメリット
・障害者求人は求人数が少なく、就職活動の幅が狭くなる場合があります
・職場で“障害者”として見られたり、扱われたりすることがあります
・任せられる仕事が限られてしまう場合があります
クローズ就労の主なメリット
・一般求人の方が障害者求人よりも数が多いため、就職したいと思う会社を見つけやすい場合があります
・色んな仕事に取り組むことが出来ます
クローズ就労の主なデメリット
・職場の人に、いつかバレるのではないかという不安や、病気を隠すということがストレスに繋がる場合があります
・会社によっては、残業や休日出勤等を指示されることがあります
・職場内での悩みを話す相手がいない時は、自ら考えて解決しなければなりません
障害をクローズにして働きたい場合は？
障害をクローズにして働きたいと思われる場合は、下記のような条件が当てはまる方が望ましいと考えられます。
・周りに障害があると感じさせない、症状も安定していること
・職場内での問題が起きた時に自ら解決出来る自信があること
・ミスのなさ、臨機応変な行動等、仕事に求められる作業遂行能力を備えていること
ヴィストキャリア富山駅前では、オープン就労、障害者求人からの応募で就職される方が多いです。
支援員からは、「一般求人を出している会社に、障害をお持ちの方の就職が可能かどうかを問い合わせた際に、10件掛けたら1件くらいの会社が話を聞いてくれるくらいの感覚ですね」という実体験からの話もありました。
また、当初はクローズ就労で就職された方が、途中からオープン就労に切り替えた例もあるとの話もありました。
それぞれのメリット・デメリットを知っていただいた上で、ご自身の特性や、働き方、働きたい職種、受けられるサポートなど、様々な面を考慮して検討されるのがよいかと思います。
自分の求める働き方を考えてみよう
・経済的必要性（扶養家族がいるかどうか等）
・勤務日数、時間、時間帯
・通勤距離、手段
・仕事の内容
・給与
・休日、休みの取りやすさ
・雇用形態（各種保険加入かどうか）
上記について、今の自分が求める働き方を考えて記入していただきました。これらの項目は、具体的に求人を調べていく際にも必要になってくる部分です。
自分の特性と、配慮が必要なことは？
例えば、『主治医から週に○時間勤務までと言われている』、『残業は制限がある』、『仕事経験が少ない』、『仕事を辞めてから期間が空いている』等、働く上で配慮が必要になってくることや、ご自身の特性について理解しておくことも大事です。
働くために必要なこと
『働く意欲』、『ストレングス（強み）をつかむ』、『自分を伝える』、『情報を選ぶ』等の必要性をお伝えしました。支援員からは、その中でも特に『働く意欲』の重要さをお伝えしました。
『働く意欲』があることで、ヴィストへの定期的な通所や訓練を頑張ることが出来たり、生活リズムを整えるために気を付けることが出来たり等、就労を目指すための様々なことへのモチベーションにも関わってくる大事な部分だといえます。
ストレングスマップを作ってみよう
最後に、自分の強みを整理し、オープン・クローズの手がかりにするために、参加者の皆さんにストレングスマップを記入していただきました。
『車を保持している』等の環境面の強み、『定期的に通院している』等の支援体制の強み、『真面目で素直』等のご自身の強み、それぞれについて振り返っていただきました。
また、その中でも、ご自身の強み（ストレングス）が中心であり、一番大事にして欲しい点だということをお伝えしました。
ヴィストキャリアでは随時見学や体験も受け付けています
今回は、オープン・クローズというテーマで訓練プログラムを行いましたが、他にも、履歴書などの応募書類の書き方をテーマにした訓練プログラムなど、就職活動に必要になってくる様々な知識や情報を学べるプログラムがあります。また、必要に応じて個別でサポートも行っています。
就労への課題やスピードは人それぞれですが、その方に合わせて寄り添っていける支援を目指しています。
ヴィストキャリアでは、見学や体験を随時受け付けています。