構造化とは?~発達に特性のある子どもたちが安心して過ごせるための環境について~
お子さんにこんな姿はありませんか?
・何をすればよいかを理解できない…
・口頭指示だけでは自分から行動することが難しい…
・自分で準備や片付けをすることが難しい…
子どもが自立した行動を促す1つの手段として「構造化」があります。
療育にもよく取り入れられている「構造化」について、そもそもどんなものなのか、どんな効果があるのか、そして具体的にヴィストカレッジ富山環水公園前(児童発達支援)で取り入れている方法をご紹介します。
発達に特性のあるお子さんが、より過ごしやすい環境づくりのための参考になればと思います。
構造化とは?
構造化とは、『周囲の状況を自分の力で理解し、自分に必要な情報を選出し適切な行動を行う』ことができるように、環境を整えることです。
発達に特性のある子どもの中には、たくさんの情報から自分に必要な情報だけを取り出して注目し(選択的注意)、それらを理解して行動することに困難さを抱えている子どもがいます。
そのような子どもに対し、「構造化」という形で環境を整えることで見通しをもって安心して過ごし、自立して動けるようサポートしていくことができます。
具体的にどんな方法があるの?
大きく分けてこちらの3つの方法があります。
・環境の構造化
・時間の構造化
・活動の構造化
これらを整えるための「視覚的構造化」があります。
本日はこの中の『活動の構造化』について詳しくご紹介します。
ワークシステムを使用した支援
ヴィストカレッジ富山環水公園前では子どもたちの発達段階に合わせて、写真のようなボックスとホワイトボードで今日の活動を提示してワークを行っています。
子どもたちはホワイトボードで今日の活動の確認をした後、上から順にホワイトボードの数字とリンクしたボックスを使いながら活動を行っていきます。
このようなシステムを使うことで、
① 何をするのか
② どれぐらいするのか(量)
③ どうなったら終わりなのか
④ 終わったらどうするのか
の4つのポイントを、本人がわかる方法で知らせることができます。
具体的にはこのような内容を伝えることができます。
何をするのか→カラーボックスにある活動を上から順番に。
どれぐらいの量を行うのか→カラーボックス内のものすべてを
どうなったら終わりか→なくなったら、もしくは全て完成させたら
終わったらどうするか→スケジュール表に戻ってスケジュールを見る。全て終われば「さようなら」。
こちらのような情報は全て口頭で伝えると情報量が多くなりますが、絵カードや実物があり一目見て分かる状態にしておくことで理解しやすくなります。
また、活動の終わりとその次の行動も分かるように提示することで見通しが持てるため、指示を待つだけではなく、自分から行動する姿に繋がります。スケジュールに沿って活動を進めていくことを学んだり、準備と片付けを行いながら作業を進めていく経験を積むことができます。
一人ひとりに合わせた実践例
ボックスの見出しには、数字だけでなく子ども一人ひとりの発達段階に合わせて動物やシンボルや色のカードを貼ったり、活動内容を示した絵カードを貼ったりして子どもが理解しやすいように工夫しています。
まとめ
さらには、このボックスを使用したワークでは自分でボックスを持ってきて、活動後に片付けることを自然と経験できるので、自分で準備片付けをする意識付けにもつながります。
このように一人ひとりの発達段階に合わせて構造化を行い、子どもたちが見通しを持ちやすい環境を作ることで、子どもたちが安心して生活できるような環境を整えています。