学校で苦手なことが就労場面でできるのはなぜ?『社会に学ぶ 14歳の挑戦』の事例から解説します
富山県内の中学生が行う初めての仕事体験。
それが『社会に学ぶ 14歳の挑戦』です。
お隣の石川県では、「職場体験学習」や「わくワーク体験」とも呼ばれています。
この経験が、「働くってどういうことなのか」「自分らしさって何なのか」「将来は何をしたいか」など、仕事について考えるきっかけになるよう、ヴィストジョブズ富山駅前は応援しています!
今回はヴィストジョブズ富山駅前で、利用者さんが実際に行っている作業の一部を体験いただきました。その様子をお伝えします!
『社会に学ぶ 14歳の挑戦』とは
富山県で行われている中学校2年生(義務教育学校8年生を含む。)が、5日間、学校外で職場体験活動や福祉・ボランティア活動等に参加することにより、規範意識や社会性を高め、将来の自分の生き方を考えるなど、生涯にわたってたくましく生き抜く力を身につけることができるようにすることを目的とした職場体験です。
5日間学校を離れて地域のみなさんの指導や援助を受けながら、一人ひとりが取り組みたいことに挑戦します。
いろんな活動場所があり、そこから自分のやりたいこと・興味のあることにチャレンジします。地域によって特色ある体験活動ができる場所があります。
ヴィストジョブズ富山駅前での体験スケジュール
今年度は、7月4日(月)~7月8日(金)の5日間のうち、3日間で2校の中学校より7名の職場体験を実施させていただきました。
スケジュールは下記の通りです。
清掃グループのスケジュール(1.5日間)
1日目
9:40 事務所に集合
10:00~ 朝礼、清掃の基本
10:50~ 小休憩
11:00~ 清掃作業
11:50~ 用具片付け
12:00~ 昼休憩
13:00~ 清掃作業
13:50~ 小休憩
14:00~ 清掃作業
14:50~ 用具片付け、あいさつ
15:00~ 清掃作業振り返り
15:30 終了
2日目
9:40 事務所に集合
10:00~ 朝礼、清掃の基本
10:50~ 小休憩
11:00~ 清掃作業
11:50~ 用具片付け、あいさつ
12:00 作業振り返り
12:30 終了
軽作業グループ(1日間)
9:40 事務所に集合
10:00~ 朝礼、作業(前半)
10:50~ 小休憩
11:00~ 作業(後半)
11:40~ 片付け、作業の振り返り
12:00 終礼
体験内容
清掃グループの挑戦!施設外作業(ビル清掃)を行いました!
2名の方にビル清掃を体験していただきました。
体験1日目には、実際の清掃現場や清掃道具を見ていいただき、清掃の基本となる「上から順に清掃すること」、「奥から手前に清掃すること」、「きれいなところから作業を始め、徐々に汚れの多い場所を清掃すること」を、清掃現場を見ながら、一緒に清掃箇所の確認を行いました。
体験いただいた作業は、くもの巣払い、廊下のほうき掛け、階段のほうき掛け、窓拭き作業です。
初日は、廊下の清掃を行いました。
清掃の基本「上から順に清掃する」に沿って、天井の蜘蛛の巣払いを行ったあとに、廊下のほうき掛けを行うことをお伝えし、くもの巣払いから作業開始。
ほうき掛けについても、掃き漏らしなく作業を行う方法を支援員からお伝えさせていただきました。
お二人とも、暑い中での作業でしたが、スタッフの話をしっかりと、落ち着いて聞いておられました。
また、効率よく作業する方法や、清掃に興味をもった一面も見受けられ、2日間、大変意欲的に作業に取り組んでいただきました。
軽作業グループの挑戦!施設内作業(検品)を行いました!
5名の方に、巾着袋の検品を体験いただきました。
作業開始前に、作業手順書を見ながら、作業説明を行わせていただきました。
巾着袋の検品は、袋に入ったロゴが消えていないか、紐が結ばれていないものはないかを確認し、1cm以上出ている糸をハサミで切る作業です。
検品作業を開始して、「汚れがあるものはダメですか?」、「少し消えている部分があるのは、いいですか?」など、作業中に気づいたことを、すぐにスタッフに確認してくださり、集中して取り組むことができました。
就労場面で見られた特徴
学校でよくあるケースとして、「授業中、他のことに気をとられてしまう」、「じっと座っていられず、離席してしまう」というような様子がよく見られます。
しかし、就労体験中の皆さんに共通して、以下の特徴が見られました。
・集中して作業に取り組んでいる。
・途中経過の報告や分からないことを確認し、ミスが少ない。
・離席はあるが、頻度が少ない。
なぜ集中や確認ができたか
なぜ学校では苦手なことが、就労体験ではできたのか。それには以下のような背景や理由があります。
① 勉強は「開始と完了」が不明確なことや、取り組む内容が一定でないが、就労は行う作業によって手順が明確に決まっている。
② 就労では手順書などを用いることで、視覚的にも明確な指示をすることができる。
③ 就労では作業するにあたって「なぜやるか」の理由を明確に伝えている。
④ 就労は学校に比べて環境に魅力が少ないが、その分作業自体に集中できる。
つまり、苦手なことが就労場面でできたのは、「作業が構造化され、集中しやすい環境があった」からです 。
学校で苦手なことがある方も、作業が構造化されていれば働くことができます!
働くことで見える“得意”があります!
ヴィストジョブズ富山駅前での職場体験は「清掃のような体を動かす仕事が得意!」「検品のような細かな違いを見つける仕事が得意!」など、本人自身が得意を見つけ 、成功を体験すると共に、周りもどんな支援や環境が必要かを確認する機会になります。
「14歳の挑戦」以外でも、ぜひヴィストジョブズ富山駅前を体験してみてください!
[引用元・参考文献]
・富山県公式WEBサイト「社会に学ぶ『14歳の挑戦』」
https://www.pref.toyama.jp/3002/14saity