北陸中日新聞に掲載されました。

2012年11月28日の北陸中日新聞にVISSTの記事が掲載されました。

 

中日新聞掲載11月28日

 

【支援の現場】

―仲間と訓練、段階踏み進む―

 

ビルの中の、オフィスをイメージした一室。10~50代の男女約20人が、2人1組で机の上のノートパソコンに向かっていた。講師の指示を聞き、隣の人と話しながら課題をこなしていく。この日の目標はメール設定を覚えることだが、質問や会話など職場でのやりとりの練習にもつながっている。自分の失敗を笑ったりと和やかな空気が流れていた。

 

ここは、うつ病など心の病を患う人や、精神の障害がある人らが就労を目指して通う金沢市広岡の事業所「ヴィスト金沢センター」。利用者は毎日か週数日ここに”通勤”し、パソコンやコミュニケーションの訓練、グループワーク、企業実習などに取り組んでいる。利用料は前年度の所得に応じて最大で1日800円程度。石川県ではまだ少ない、株式会社が運営する施設だ。

 

就職してすぐに精神疾患になり、退職後、このセンターに通う20代男性は「自分の症状を考えると、いきなり再就職はハードルが高かった。会社との間に入ってもらい、段階を踏んで仕事に戻れるのが心強い」と話す。

 

今年9月に開業した奥山純一さん(28)は、人材派遣会社の勤務経験を生かし、企業に直接働き掛けるなどして実習先や求人を開拓。本格的に運営を始めてから約3ヶ月で2人の就職を決めた。「病気の特性をふまえ、配慮してほしい点を明確に伝えれば、能力を発揮できる人は多い。地域と連携しながら、定着できるよう支援を続けたい」と話す。

 

同様の就職支援や求職者向けの復職サポートは、各県にある独立行政法人の障害者職業センターのほか病院、NPOなどにも広がっている。石川県障害者職業センターでは、すでに会社をやめている人とは別に、うつ病などで休職中の人を対象にした「リワーク支援」を2005年度から実施。会社から復帰前に紹介されて利用する人が多く、20代も目立つという。センターでは、作業訓練をしたりストレス対処法を身に付けたりする。職業環境の調整もしている。

病院でも、独自の職場復帰プログラムを設けるところが増えている。石川県内では現在、少なくとも精神科を持つ3病院が実施。病状や目指す職種によって、受けられるサポートの選択肢は充実しつつある。

 

[新聞記事より引用]