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障害と支援について

障害種別や特性、その人の持つ個性によって、適切な支援方法は様々です。
このページでは、障害のこと、そして障害別の支援事例をいくつかご紹介いたします。

うつ病

神経障害のひとつ。抑うつ気分や不安・焦燥(しょうそう)、精神活動の低下、食欲低下、不眠症などを特徴とする神経疾患のこととされています。

ヴィストの支援事例 : 某卒業生(30代男性)の場合

背景
離職後、抑うつ気分・意欲低下による引きこもり生活、自信喪失が半年ほど続いた。休職や転職や繰り返されており、障害を理解してくれる会社で長く勤めたいと考え、センター利用となる。
支援
自身の障害特性に関して理解され、尚且つ障害を克服して将来的にはしっかりと働きたいとの思いが強い方でした。無理のない働きかた(業務を抱え込まない)やストレスコントロールを身につけるために、認知行動療法やアサーションのワークを中心に参加していただきました。また、生活リズムの安定や調子が良くないというサインを見極めるために、生活リズム表の記録をしていただき、定期的に振り返りをおこないました。「自分説明書」の作成では、職場での注意点や自身の障害特性・調子が乱れる兆候を整理していただき、応募書類作成の支援をおこいました。
利用開始から10か月で、職業センターのジョブコーチ支援を受け、県実習を経て採用となりました。「職場の人に障害を理解してもらいたい」との本人の希望があり、実習前に現場の方に集まってもらい、障害や配慮していただきたい事項について話をする場を設定。定着支援では、職場の人との調整を主に行い、無理をしない環境づくりに努めました。

高次脳機能障害

事故(脳外傷)や病気(脳血管障害、脳症、脳炎など)によって脳に損傷を受けたために、その後遺症として「記憶」や「注意」、「社会的行動」などの認知の機能(高次脳機能)が低下した状態をいいます。

ヴィストの支援事例 : 某卒業生(30代男性)の場合

背景
交通事故で脳挫傷となる。大きな症状として、短期記憶障害、注意障害、意欲・発動性の低下、同時進行の困難さがみられた。就職経験もあるが、長続きせず転職を繰り返していた。再検査をしたことで、高次脳機障害と診断された。はじめは自身で就職活動をしていたが、採用に繋がらずセンター利用となる。
支援
自己理解や障害理解を深めるワークに参加し「自分説明書」を作成。自分の障害について整理し、職場で配慮してもらいたいことを伝えられるよう支援しました。また、企業研究をすることで自分にあった職場環境探しを行いました。センター利用期間中は、高次脳機能障害支援センターとも連携させていただきました。
利用開始から1年で、1ヶ月間の県実習を経て正式雇用となり、県実習期間中には、3つの配慮事項を調整していただきました。
①繰り返しの質問や確認が必要
②行動のパターン化(物の置き場所を決める、業務の固定)
③記憶の代償として、ノート、携帯電話の機能を利用する
職場の皆さんの理解と協力を得られたことで、「みんなの為にも頑張って仕事を続けたい」との想いでお仕事を続けてらっしゃいます。

双極II型障害

双極性障害は躁うつ病ともいわれています。双極性障害は双極Ⅰ型障害と双極Ⅱ型障害に分けられます。双極Ⅱ型障害はI型の躁状態より軽躁状態といわれています。また、Ⅱ型はⅠ型に比べてコントロールしにくく、うつ状態を再発しやすいといわれています。

ヴィストの支援事例 : 某卒業生(20代女性)の場合

背景
大学受験に失敗などが起因し、双極性Ⅱ型障害を発症。躁状態では落ち着きがなく何でもできると思ってしまう。うつ状態では落ち込みが激しく、やる気がわかない。3社サービス業で接客の仕事をするも人間関係が原因で、いずれも1年以内に退職、主治医よりヴィストを紹介いただき繋がった。
支援
通所開始時は、週3日利用からはじめ、1年かけて段階的に週5日通所できるように移行していきました。躁状態の時に、行動量が大きくなったり、ストレスを対処できないことがありましたので、訓練プログラムでストレスコントロールやアサーション受けていただき、徐々に自己理解を深め、生活リズムが安定されました。施設外訓練ではサービス業の軽作業を経験するもパソコンに興味がわき、就職活動では事務職を受けられ、自動車販売会社の総務補助として就職されました。

知的障害

知的障害は、発達期(おおむね18歳未満)までに生じた知的機能の障害により、認知能力(理解・判断・思考・記憶・知覚)が全般的に遅れた水準にとどまっている状態のことです。理解力や表現力が乏しい、記憶量が少ない、未熟さが消えない、コミュニケーションの障害、注意をするとパニックになるなどの行動が見られます。

ヴィストの支援事例 : 某卒業生(20代男性)の場合

背景
気分にむらが出ることがあり、興味のないことに関しては集中力が続かず、責任感が乏しいことがあった。その場の空気を読むことができず、コミュニケーションに不安を常に抱えていた。「安定した収入を得たい」「いつまでも親には頼れない」という希望から、センターの利用を開始される。
支援
できることの幅をひろげるため、エクセルの練習や、応募書類の作成などパソコンのスキルを高める訓練をされました。また、コミュニケーション能力、ビジネスマナーの習得を目標に支援しました。訓練プログラム参加当初は、グループワーク中に自分の言いたいことが話の途中で分からなくなることもありましたが、訓練プログラムでは、ご自身のペースを保ちながら、継続して参加できるようファシリテイトすることで、3か月後には、皆の前で発表もできるようになっていきました。個別の面接練習も取り入れ、1年半かけて一般企業への就職を叶えられました。
「自分の向いている仕事=黙々と一人で単調な仕事ができる」ストレングスを活かし、飲食店での洗浄業務に、1ヵ月の実習期間を経て正式雇用されました。「集中してとても熱心に仕事をしてくれて助かる」と職場の方からのフィードバックを受け、お仕事を続けられています。

統合失調症

統合失調症は、幻聴や幻覚、妄想などの症状のほかに、意欲の低下や感情の起伏の喪失、引きこもりなどの症状を呈する病気です。

ヴィストの支援事例 : 某卒業生(20代男性)の場合

背景
幻聴に悩まされ、仕事をする上で注意散漫となることがありました。
支援
自身の障害を理解するためのプログラムを主に参加していただきました。また、身に起こったことが事実なのか幻聴なのかを冷静に判断できる力を養えるよう、体験整理シートの活用方法などを身につけていただきました。出席日数もスモールステップで1年かけて増やしていき、定着支援・ジョブコーチ連携を通して長期就労に繋がりました。

発達障害

発達障害は、いくつかタイプに分類されますが、広汎性発達障害・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)・自閉症・アスペルガー症候群などが含まれます。
適切に対処ができない場合は症状が悪くなったり、二次障害を引き起こす可能性があります。二次障害には、周囲からの誤解や不適切な対応による、自信の喪失、うつ状態などがあります。

ヴィストの支援事例 : 某卒業生(20代男性)の場合

背景
高校卒業後、広汎性発達障害と診断される。特定の物へのこだわりが強く、会話のテーマがその話ばかりになるので、周りに溶け込むのが難しく、本人も自身のこだわりについて気付いていない。学生時代の経験や前職での仕事経験からくる対人関係のへの苦手意識が強くあり、特に年配者への抵抗感がある。
支援
同じ利用者間では、当事者同士ということで安心感もあり、早い段階で溶け込むことができました。ストレスコントロールやアサーションの訓練プログラムを受講し、どのようにコミュニケーションを取れば円滑な人間関係が築けるか学んでいただきました。自身のコミュニケーションの特性については、定期的な個別面談でのフィードバックや、定期的な医療機関への受診同行を行うことで、少しずつ場面ごとでのコミュニケーションの仕方やストレスへの対処法を体得されました。10か月後に就職活動を開始し、直接雇用前提の職場実習に進まれました。受入企業に国や県の制度を組み合わせ提案し、企業は受入れがし易くなり、ご本人は短時間からのスモールステップですすむことができるようになりました。受入れ時に、一緒に仕事をする同僚の皆さん向け(15名程)にオリエンテーションを行い、受入れ目的や対応の仕方などを説明させていただきました。職場で特定の同僚との関係性で課題が出るものの、週2日ペースで職場訪問し、2週間ペースで振り返り面談を行い改善されました。

不安障害

不安障害とは、精神疾患の中で、不安を主症状とする疾患群をまとめた名称のことです。はっきりした理由がないのに、あるいは理由があってもそれと不釣り合いに不安が強いことや、またそれが繰り返し起きたり、いつまでも続いたりすることが特徴です。代表的なものに、パニック障害や社会不安障害(社会恐怖)、強迫性障害、全般性不安障害があります。

ヴィストの支援事例 : 某卒業生(40代男性)の場合

背景
過去に、電車の中で倒れたことがあり、人ごみが苦手。また、手足がしびれる、汗をかく、動機などの発作や、天候によって気分の落ち込みや脱力感があった。営業職を続けていたが、徐々に数値のプレッシャーが強くなり、また社内の体制が変わったことなどからストレスが溜まり、体調を崩され退社。自身で再就職を試みたが、年齢、自身の体調を考慮できる環境にマッチするものがなく障害者雇用での就職を決意。
ブランクもあるため、A型事業所で自信を取り戻すことから始めようとヴィストジョブズの利用となる。
支援
体調管理と生活リズムを安定させることを優先しました。
電車通勤や人ごみがNGということで、私有車通勤は問題がないかアセスメントし、自動車通勤となりました。
また、社内研修に参加していただいたり、定期的な面談を行うことで、生活リズムの振り返り、職場環境選択、興味関心のある仕事について分析を行いました。
事業所での仕事を通し「モノづくりをするよりは、物を販売する営業職が自分には合っている」と自信の回復とともに、障害者就業・生活支援センターとの連携によって、利用開始から3か月後に一般企業への就職活動を始めました。
初めて障害者雇用で、一般企業での営業職に就くことを叶えられました。